胃潰瘍 症状

胃潰瘍の症状

ご飯を食べたあとに胃の上のあたりが痛い。 これって胃潰瘍?

名前だけはよく聞く病気ですが、その症状について詳しく知っている人は病院関係者以外ではほとんどいないでしょう。 今回はその症状について説明いたします。

まず、「潰瘍」の意味について。 潰瘍とは皮膚や粘膜層において、上皮組織の部分的欠損が深くなっているもののことです。ですから胃潰瘍とは胃の粘膜 が損傷を負っている状態ですが、自覚症状には個人差があります。また、人によっては無自覚の場合もありますので簡単 に発見するのは困難です。

それでもいくつか自覚例をあげますと、 ・みぞおちのあたりに鈍痛がある ・みぞおちのあたりがなんとなく不快である ・食事をしていないときでも痛い ・お腹に満腹感がある ・胸焼けやゲップがでる などがあります。ですが、これらの自覚例がない人もいます。また、自覚例があったとしても胃潰瘍以外の場合もあります。

最近では似たような自覚例が出る機能性胃腸症の可能性がありますので医療機関を受診することをお勧めします。 ある大学の調査では自覚例を訴えた患者さんの6割ほどが機能性胃腸症であった結果がでたこともありますし、また胃 潰瘍であっても良性の場合は胃酸を抑制する薬や胃の粘膜を保護する薬などを服用することにより改善する例も多く見ら れます。 早めに治療するには自覚症状が出たときに速やかに検査を受診することが大切です。

胃潰瘍の原因

よく耳にする胃潰瘍ですが、放っておくと胃がんに進行することもありますから侮れません。 この病気には急性と慢性がありますが、急性の場合は適切な対応をするなら治る確率も高くあまり深刻になる必要はあり ません。 急性の原因としては、風邪薬などの服用や精神的なストレス、アルコールの飲みすぎなどですが、これらをなくすなら容易 に治ります。

問題は慢性ですが、慢性の原因は急性と同じ「精神的ストレス」や「過度のアルコール」のほかにピロリ菌に感染している 場合があります。その場合はピロリ菌を取り除くことが必要となります。 ピロリ菌の正式名はヘリコバクター・ピロリ菌ですが、細菌の一種です。ピロリ菌は口から感染すると言われており 胃粘膜でしか生きられないのが特徴です。 ピロリ菌に感染するとピロリ菌の活動によってさまざまな物質が作られ炎症を起こします。そして炎症を起こした部分 に胃酸やペプシンなどの刺激が加えられ胃の粘膜が損傷します。

以前は胃潰瘍の原因はストレスによるものが大きいと 考えられていましたが、現在はピロリ菌感染による原因がこの病気の9割を占めていると言われています。 このように説明しますとピロリ菌とは恐く特別な細菌のように思われますが、実は日本人の中高年では約70%以上の人が ピロリ菌に感染していると言われています。そうした中、慢性胃潰瘍になってしまう人は僅か2%ほどです。ですのでピロリ 菌に感染したからと言って必ずこの病気になるわけでもありません。

もし、胃の調子が悪く「みぞおちの辺りが痛い」「吐血をした」などの症状がでてしまったなら早めに医療機関に行きましょう。"

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