胃潰瘍 症状

胃潰瘍の手術の必要性

以前は胃潰瘍の治療には手術も頻繁に行われていましたが、最近では薬の進歩が著しく薬の服用だけで治療する方法が とられるようになってきました。 胃潰瘍は胃酸と胃の防御要因である分泌物のバランスが崩れることにより発症します。胃酸自身が胃を攻撃して胃の粘膜 を欠損させる病気です。

こうした原因から、薬はその目的によって「胃酸の攻撃を弱める薬」と「胃酸の攻撃から胃を防御する薬」とを使い 分けて服用します。現在は特効薬がありますのでほとんどの胃潰瘍は薬で治療できますが、次のような場合は手術を することになります。

・薬を正しく飲んでも再発を繰り返す場合

・潰瘍からの出血が止まらない場合

・胃の壁に孔があいた場合

・胃の出口付近に潰瘍ができた場合

胃の出口付近に潰瘍ができると食物の通りが悪くなるからです。

以上のような場合ですが、その方法は内視鏡を用いて止血をしたり、腹腔鏡を用いてあいた孔を塞ぐなどします。最悪の 場合は胃の削除も行いますが、以前は胃の下部約70%を切除する方法がとられていましたが、最近は20〜30%の切除で 済むようになっています。また、胃の切除の際は胃の壁細胞に分布し胃酸の分泌を支配している迷走神経を切り離す手術を 行うこともあります。

あくまで手術は最後の手段です。基本的にはバリウム検査などで潰瘍が見つかった場合、直接細胞をとりガン細胞など がないか調べます。そしてガン細胞などがない場合は薬だけの治療がほとんどです。

胃潰瘍の入院期間

夏目漱石の死亡理由は胃潰瘍と言われているそうですが、この病気も昔に比べると死に至る病気とは言われなくなって きました。

以前ですと、この病気は手術をする例が多かったのですが、近年は特効薬の出現によりほとんどが通院による薬の服用 だけで完治できるようになりました。 しかし、この病気は再発する可能性が高く完治したあとも生活上の節制は欠かせません。これは病気の原因が普段の生 活の過ごし方に関係しているからです。

調査によりますと、精神的なストレスやアルコールの取りすぎなど不規則・不摂生な 生活態度が大きな原因であることがわかりました。 薬の服用期間は患者の回復状態により医師の判断によりますが、大まかに言うなら半年から1年くらいです。もし、その間に 完治しない場合は手術も覚悟しなければなりません。 また、薬の服用により一度完治した場合でもその後再発が続くようならやはり手術が必要となるケースもあります。

手術の場合、以前は開腹手術の例が多かったのですが、最近は医療の進歩により内視鏡手術や腹腔鏡手術などがほと んどです。ですので以前に比べると入院期間も短期間になっています。回復の状態によりますが、平均的には2〜3週間と なっています。 胃潰瘍の自覚症状はみぞおちのあたりに痛みを感じることが多いのですが、中には吐血や下血などで緊急入院することも あります。その場合でも検査をして良性であるなら入院2〜3日で退院しあとは薬の服用で治療にあたることが多いようです。

胃潰瘍を軽くみては決していけませんが、日本人の1割がかかると言われていますので国民病とも言えるかもしれません。 甘く見ることなく、そして悲観しすぎることなく処することが大切です。"

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